能美BLOG

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写謡の会 第一回

写謡の会 第一回
曲目「松尾」「吉野静」


写謡3


久方ぶりに学芸員が書き込ませて頂きます。
お正月のイベント以来、ご無沙汰しておりました。
本年度もよろしくお願い申し上げます。

本日、初の試み「写謡の会」が、ついに始まりました!
「しゃうたい」の会です。「シャウタ」ではありません。
「写謡」って何!?と思われた方もいらっしゃることと存じます。
それもそのはず。学芸員の造語です。
写経で経典を写すように、お能の謡を書写したい!と思いつき、能楽師の先生方のご賛同を得ることができましたので、始めてみました。
なぜ写したいのか?!と問われたならば、それは一言ではとても言い尽くせないのですが・・・、以下の通り。

写したい理由、それは、
①能の謡は、名歌をちりばめ、古典の名作を題材とした、日本文芸の優れたエッセンスの凝縮、いわば名句名言のつづれ織りだからです!

②その内容が、平安と幸福を祈る神のことばや、戦乱の世に果てた武将の壮絶な生き様、はたまたやるせない恋に悩む男女の想いなど、私たちも共感・感動できる人類普遍のテーマだからです!

③宝生流謡本の文字が麗しいからです!
明治天皇は宝生流寛政版謡本の文字が風雅であるとお気に召し、座右の書とされたと伝わっています。寛政版の筆者は徳川御三卿のひとつである一橋家の祐筆の信夫顕祖(しのぶあきとお)で、今回書写した昭和4年版では筆者は変わっていますが、その古雅な風格はしっかりと引き継がれております。

④清々しい日曜日の朝に、静かな中で身心を整えて無心になって文字を写す、という行為が、心を浄化し、落ち着きをもたらす(と思われる)からです!

というわけで、第一回目は宝生流能楽師シテ方 渡邊茂人師をゲスト講師にお迎えし、はじまりました!
冒頭、茂人先生に本日写す曲のストーリーをやさしく解説頂きます。
「松尾」は脇能といって、神様がでてくるおめでたい曲。松は能舞台の鏡板に描かれるように、とりわけ尊重される植物ですが、その名には神の降臨を「待つ」意味も掛けてあるとのこと。
「吉野静」は、義経主従の渾身の茶番劇が繰り広げられているんですよ、とのことでした。
「茶番劇の劇」を我々は観ているんですね!

その後、いよいよ各自ご持参の筆ペンで写謡用紙をなぞります。
「写謡用紙」に、筆を入れる皆さんのお顔は真剣そのもの。
写謡1

シーンとした中、無心で取り組んでいるご様子が、画面からも伝わってきますね。
茂人先生もすらすら写謡中。
写謡2


数十分の間、精神を集中させて写謡を行った後、写した謡の一部を、レッスンしていただきました。
茂人先生の豊かに響く素敵なお声に聞き惚れつつ、みなさんも負けずに声を出していらっしゃいました。
そして、ほんの2・3行の詞章が、これほど多彩に表現されることを体感し、謡の世界の豊かさと奥深さを感じて頂けたようでした。

ちなみに、書き写した曲目は、午後に石川県立能楽堂で催される定例能の演目です。
舞台に出演なさる能楽師の先生の解説とミニレッスン付きですので、観能の予習にも最適なのです!

このようなわけで、お陰様で初の「写謡の会」は、大好評のうちに終了いたしました。
うら若き女性から、熟年の紳士まで、幅広い方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。
渡邊先生には、ご出演直前にもかかわらず熱心にご指導頂きましたこと、心より御礼申し上げます。

用紙等、学芸員が試行錯誤しながら制作しましたので、至らぬ点も多々あったかと存じます。本日の反省を生かして、2回目以降ももっと充実した内容の会にしていければと思っておりますので、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

学芸員でした。

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